「私たちの行方」カテゴリーアーカイブ

「奇跡のリング」

朝起きた時、照っていた日差しがいつしか消え、
午前7時前、空は分厚い雲の向こうに。
部分食が半分を超えても、太陽周辺の雲は取れず、
周囲はどんどん暗くなっていく。
雲がさらに厚くなっているのだろう、絶望的だ、
窓から外を見ながら、そう思っていた。
しかし、外に出てみると事情は変わっていた。
暗くなっていたのは雲のせいではない。
食が進んでいたからなのだ。そして・・・。

食の最大まで10分、東の空に光が差し始めた。
雲ごしに形を変え、円形に近づいた太陽が姿を見せる。
そしてついに雲越しに白いリングが・・・!!
雲越しの白い太陽はうまく撮影できなかったが、
日食グラス越しにIXYをあてがって、
何回かシャッターを押してみた。

実際にはもっとくっきりと見えていたのだが、
IXYではこんなものか。残念。
撮ったり、見たりで、結構せわしなかったが、
長い時間続いたため、心の中に焼き付けることができた。

次に見られるのは18年後。
その時、自分はどういう状態でいるのだろう。
でも、22年前から歌に歌われ、それを聴いてきた金環食を、
今日この目で実際に見てみて、
「時間を超えた永遠を信じて」(by吉田美和)
みたくなったような気がした・・・。

「時間旅行」の行き着く先


初めてDreams Come Trueを知ったのは、
TVドラマの主題歌だった「笑顔の行方」だったし、
初めてDreams Come Trueを好きになったのは、
90年の大晦日に彼女らが出場したNHK紅白歌合戦での
吉田美和のライブパフォーマンスのカッコよさからだった。
そしてその年明け、「スキーに持っていく歌」として
初めてこの「WONDER3」にふれることになった。
はじめは、それまでの「ニューミュージック」にはなかった、
洋楽っぽさやライブ感満載のアレンジにひかれて
単に音だけを拾いながらBGM的に聴き流していたのだが、
やがてその歌詞の深さと吉田美和の創り出すその「空気」に、
言葉の一つ一つを噛みしめながら聴くようになった。
このアルバムの12番目、トリを飾る曲が「時間旅行」。
当時から私がこのアルバムの中で一番好きだった曲だ。
ストリングスやホーンセクションを入れた厚みのある前奏から
始まるこの曲、音だけでも素敵なのに、その歌詞がいい。
情景が、心持ちが、目に浮かび、心に入ってくる。
そんな中に「2012年の金環食」を「指輪」になぞらえて
おねだりする、そんな一節がある。
アルバムが出た当時からすれば、22年後という
自分がどうなっているかの想像すらつかないぐらい遠い未来の
幻想的な天体ショーがさらっと歌い込まれていて、
聴いている自分も時を越えられるかのような
これまた幻想的な気分になったものだ。
しかし、その「時間を越えた永遠」の先にあった金環日食まで、
気がつけばもうあと10日あまり、ということになった。
単に天体ショーが楽しみ、というだけでなく、
初めてあの曲を聴いた時からの自分の時の重ね方や、
時間とは何、幸福とは何、とか、
いろいろなことを重ねて考えながら見る、
そんな日食になりそうだが、天気はどうなるのだろう・・・。

何ともやりきれない。


私自身これまで、少しでも安くアウェーへ、と考えて、
お得なJRきっぷ、夜行バス、フェリーと利用してきて、
第一報を受けた時も大阪遠征中だっただけに、
このニュースは衝撃的だった。
実際、今回の大阪遠征の手段を選ぶにあたり、
高速バス(ツアーではない)は最後まで有力な候補の一つで、
遠征先のキンチョウスタジアムで一緒になった
GDAWRX555さんと安い高速ツアーバスについて話したばかり。
こういうことが起きると、本当にいろいろなことを考える。
コスパのために安全・安心をはじめとするサービスの質を
下げていないのか、見極める目を持てているか、とか、
「規制緩和」や「民間の活力」とか耳障りのいい言葉を並べ
「安かろう、悪かろう」をここまではびこらせた過当競争って
本当に消費者のためになっているだろうか、とか、
それを推進した「政治の責任」ってどうなのかとか、
事を自分に置き換えて、安全・安心を大前提にした適切な
サービスが提供でき、また危機管理ができているだろうかとか、
自分自身もハンドルを握るにあたり、安全を最優先にした
運転ができているだろうか、過信や集中の欠如はないかとか、
亡くなった方たちや、遺族の皆さんの思い、無念さとか、
人の運命とは、とか・・・。
本当に残念で、何ともやりきれない。
亡くなった方たちの御冥福を祈ると共に、他人事ではないわけで
ここから学び、その教訓を肝に銘じていかねばなるまい。

変わっていく。ダイヤも、電車も、自分も。


そうか、なくなっちゃうんだ、300系・・・。
新幹線が速くなることは嬉しい。
代表のナイトゲームのキックオフ時間が遅くなる中で
かつては東京発の最終が21時40分ごろだったのが
新幹線の高速化によって、今では22時0分発が最終に。
20分近く東京滞在時間を延ばすことができるようになって、
国立なら何とか帰って来られる、そんな時代になった。
しかし、代表に、Jに、盛んに遠征した10年近く前に、
私の足となってくれていた300系が引退してしまうのは、
時の移り変わりと同時に「自分の移り変わり」も感じて、
複雑な気分だ。

あなたが私にくれたもの

5年です。
私たちが世代を区切る時に使う「何十代」という単位。
その半分、そんな年月が既に経ちました。
「こんな時、あなただったら、どうするだろう?」
課題にぶつかるたびにそう考えることを繰り返す中、
過ぎゆく年月は、私の中であなたのイメージを
どんどん「カリスマ」に近づけてきたように思います。
あなたの手にかかればどんな問題も解決してしまう、
そんな「スーパー○○」にあなたのイメージが近づきます。
でも、そんなあなたも、実は強いだけではない、
私たちと同じ「ウララ~」(byロボコン)なところもあった、
実は普通の「人」だったんだ、
今日、奥様と話しながら、そんなことも感じました。
ただ、普通の人だったあなたを、今、
時を超えて「スーパー」に感じさせているのは
あなたの持っていた熱さ、情熱が、
今でも私たちの中に刻みこまれているからだと思います。
これからも私に、私たちに、勇気をください。
そして支えてください。
今年も、あなたの好きだったこの歌を。
“He lives in you.”