「RWC2019 JAPAN」カテゴリーアーカイブ

「ラグビーの力」



「ロス」も終わり、ジョセフ・ジャパン体制の継続も決まり、
次に向けてラグビー界が動き出した今さらではあるけれど、
3週間経った今、私なりに今大会、RWC2019を振り返ってみる。
まず、なぜここまでラグビーが盛り上がったのだろうか。
頭がサッカーに毒されている私、m-takasuはこう思う。
まずは「前に前に進む清々しさ」が新鮮だったのではないか。
例えば最近のジュビロ磐田。攻める時も前に進まない。
横パスを繰り返し、なかなかペナルティエリアに侵入しない。
そのうちボールをかっさらわれる。
こんなことを繰り返していては見ている方もイライラがつのる。
一方、ラグビーはパスこそ前に出すことはできないが、
パスを得た者はひたすら前を目指す。
この姿勢が新鮮ですがすがしいのではないか。
なかなかラインを超えられずトライできないこともあるが、
逆にそれを突破できた時の爽快感は大きい。
そこにまたハマってしまうのではないか、と思う。


「不公平感を感じないレフリング」も大きい。
ラグビーのレフリーは、ペナルティを取る基準が
安定しているし、きちんと説明責任を果たす。
だから選手もジャッジにストレスをためることが
少ないように思う。
またトライ5点、コンバージョン2点、ペナルティキック3点と
「完ペキ点」に加え、「部分点」でも評価されるため、
ゲーム内容がある意味「正当に」スコアに反映され、
スコアに納得しやすい、というところもあるのではないか。
これらがノーサイド後には敵であろうとリスペクトできる
という結果につながり、観る側も、プレーする側も
不本意感を感じないところが日本人受けすると思う。
あとはビールを飲みながらの観戦が「デフォルト」であること(´`:)


飲んべえサポにはこんな天国な話があるか?
また、来日した選手や外国サポが「日本流」を肯定的に捉え、
評価してくれたことで歓迎ムードが高まったこと。
特に日本文化、日本人の考え方を評価してもらえたのは
日本人としてうれしい。
でも2002にはここまで評価されたようには思えなかったのに、
なぜ今回、日本のホスピタリティが大きく評価されたのか。
これについては、ドメスティックだった日本のスポーツ環境が
サッカー、MLB、バスケと国際化が進むことで、
あの時よりも世界基準に近いところでスポーツを観戦し、
大会を開催し受け入れる環境が整ったり、
ボランティアの意識と質の向上が進んで、それが選手や観客に
好意を持たれたことなどがよかったのではないかと思う。
この機運を来年のTOKYO2020につなげたいところだが
そうは簡単にいかないだろうな。
だって、今回は主催者と国際競技団体、そして政治の関係が
まずまず円滑に機能していたけれど、来年はちがうもの-_-#
何が「ONE TEAM」だか、都知事さん(–#)
あとIOCも森さんもそれぞれの思惑でバラバラじやないか(°°;)

立ちはだかる緑の壁と、駆け抜ける緑の風。

ラグビーワールドカップ2019 日本 決勝
イングランド代表 12-32 南アフリカ代表
@横浜国際総合競技場(VTR)

あれからもう2週間経ったのかと思う。
終わった直後の「ロス」はいったん落ち着き、日常が戻った。
しかし未だあちこちに「名残」が残っていて、
目にするたびにワクワクとときめきがよみがえってくる。
それだけ自分の、そしてみんなの記憶の中に静かに残っている。
この幸せな記憶はこれからも、ことあるごとに私たちの中に
ふとよみがえり、幸福感をもたらしてくれるのだろう。
さて、この決勝。
あの日本平での静岡ダービーから新幹線で浜松へ飛んで帰り、
浜松窓枠で佐野元春のライブを観た日の夜の出来事で、
私自身、テレビ中継もライブで観ることはできなかった。
ただ、窓枠を出た後、そのまま駅に向かうのではなく、
ソラモのファンゾーン会場へと足を向け、終了間際の数分だけ
パブリックビューイングで観ることができた。
私にとってこれが最初で最後のファンゾーン観戦。
貴重な体験となった。
ただ、ファンゾーンの皆さんの優勝決定時の盛り上がりも、
そこまでのゲームの流れを知っているからこそ。
知らない私はちょっと取り残され気味で心持ちは中途半端。
その後も毎日忙しく、ずいぶんかかってしまったが、
やっとの頃で昨日、全体通して録画を観ることができた。
ううむ。後半の半ばまでペナルティキックで点を重ね合う
拮抗した戦いだったが、そこから南アフリカ、すごかった。
怒濤の2トライ、それに厚いディフェンス。さすが王者だ。
終わってみれば12-32とトリプルスコアに届きそうなぐらい。
いやはや、すごかった。
ホントは大会を終えての思いもどこかでまとめたいが、
長くなりそうなので、また機会があれば。
でも、もうだいぶ経ってしまって「今更感」満載だし、
どうしようか。

「ありがとう」以外、どんな言葉をかけられようか。そしてこれからも。

ラグビーワールドカップ2019 日本 準々決勝
日本代表 3-26 南アフリカ代表 @東京スタジアム(TV)
(画像はW杯でなく2017年6月17日のアイルランド戦@エコパ)


ラグビーに関心を持ち始めたのは2004年、
「いつもの」ヤマハスタジアムでトップリーグを見た時から。
そして初めて代表戦を生で見たのは2年前のエコパ。
アイルランド戦を見た時は、W杯南ア戦の快挙は知っていたが
ヤマハ以外の選手はほとんど知らない状態からだったし、
ほぼダブルスコアで敗れる代表を見て、世界との差を感じ、
W杯に向けて希望を見いだせる心持ちではなかった。
あれから2年。すごい。
プール戦、4連勝。
プレッシャーのかかる開幕戦でロシアを圧倒。
その次は、そのエコパで完敗だったアイルランドも倒した。
トンガも、そして「喧嘩」を売られたスコットランドも倒した。
そして未知の世界、準々決勝へ・・・。
しかし、壁は高かった・・・。
ただ、下を向くことなんてないんじゃないかな。
イタリアを圧倒した南アを、あそこまで本気にさせて、
僅差で食らいつき、圧をかけた時間帯もあった。
胸を張っていい「ベスト8」だと思う。
そして次に向かって前を向いて進みたい。
これをいつかの女子サッカーみたいに
「お祭り」で終わらせないためにも、
年明けに開幕するトップリーグを、招待券ではなく、
今度は自分でチケットを買って見に行ってみたいと思う。
どっかのポンコツサッカークラブよりも、魂のこもった
熱いゲームを見ることができそうだから・・・。

2019明治安田生命J1リーグ 第29節
磐田 2-2 鳥栖 @ヤマハスタジアム(磐田)(Live)


もう、あまり感情が動かなくなってきた。
指揮官の采配も、選手のプレーも。あまりにお粗末。
ただ、ラグビーの日本代表が戦いを終えてしまった今、
このモヤモヤ感を打ち消してくれるものがなくなり、
どうしたものかなぁ。
それに次節はダービーだし。
次節負けでの敗退の可能性がないわけでもない中、
日本平で負けて降格するわけにはいかないんだな。
それだけのプライドはまだ残っているわけで・・・。

被災された皆さんへの思いも背負って

ラグビーワールドカップ2019 日本 プールA 第4節
日本代表 27-8 スコットランド代表
@横浜国際総合競技場(Radio, TV, and VTR)


こんなに集中してラジオ中継を聞いたことってなかった。
よくFM haroで磐田戦の中継をやっているが、
「見られないなら、どうせ状況がよくわからないラジオで
中途半端に結果だけ知るよりもあとで録画を見ればいい。」
というのが私のポリシーなので、サッカーでもラジオ中継を
聞くことはほとんどなかった。
しかし、今回ばかりは・・・。
お祭りのスタッフとして、夜の手踊りの交通整理に。
でも、ネット時代はいろんなところから情報が入ってしまう。
だったら、ラジオを持って行こう、ということで、
ラジオを聞きながら交通整理。
サッカーとちがって要は陣取り競争なので、
左右の展開はともかく、何メーター押し込んだかがわかれば
状況は大体見える。
そういう意味でもNHKのアナウンサーは何メーターあたりか
どういう反則があってどちらのボール・アドバンテージなのか
言ってくれるのでよくわかった。
先制され、追いつき、逆転し・・・音だけを頼りに盛り上がる。
手踊り後、公民館に戻ってここからはテレビ観戦!!
しかし今度は押される展開に。気が付けば1トライ差!?
最後の10分は・・・町内の皆さんと「ウ~」とか「オ~」とか
うめき声ばかり(^_^;)
そんな中じりじりと時計を進め、何とかノーサイド、8強だ!
PVではないが町内の皆さんとガッツポーズ!よくがんばった。
いやはや、こないだまで「ジャッカル」とか言ってたら、
今日は「オフロードパス」。この引き出しの多さはすごい。
結果、プールステージは全勝。何と言うことだ。
しかし・・・翌朝の新聞は・・・。


(新聞画像は中日新聞と日刊スポーツより、一部加工済)
日本の8強進出は一面トップ記事にならなかった。
それはそうだ。
30人を超える方が亡くなり、日本中で川が氾濫し、
無数の人たちが家を失い、暮らしを破壊された。
私が冬にお世話になる長野北信も大変だったようだ。
この横浜国際も当日朝は1階部分は浸水していたと聞く。
開催のために尽力してくれたスタッフには感謝だが、
日本中の被災された皆さんが一日も早く平穏な暮らしに
戻ることができますように・・・。

エコパの、そして私の生観戦でのワールドカップは「結び」。

ラグビーワールドカップ2019 日本 プールD 第4節
オーストラリア代表 27-8 ジョージア代表
@エコパスタジアム(Live)


ときめきの日々はあっという間に過ぎるもので、
私にとって「4年に一度じゃない、一生に二度だ」の
スタジアム現地観戦の機会も、2回あるから、と思っていたが
あっという間にその2回めも終わってしまった。
前回は仕事直行ということで時間的にかなり厳しく、
スタジアム周辺の雰囲気を楽しむことはできなかったが、
今回は先日の時間外勤務の超過分を早帰りできるということで
多国籍間満載の愛野駅周辺で飲んで食って楽しもう、と
思っていたのだが・・・、恨めしき台風19号。
直撃は免れ何とか試合はできたが、雨の降り始めを気にして
ビール2杯飲んだだけですぐスタジアム入りってのは残念すぎ。
(十分!?(^_^;))
それでもスタジアムへ歩きながらいつもとちがうこんな風景や


こんな風景とかを見つけて、


その空気感を楽しみながらエントランスへと向かった。


スタジアムは相変わらず半分異国。
カンガルーの風船があちこちでふわふわ。
全体としてはオーストラリアびいきの中、
それでも、ジョージアが頑張って競った試合になった方が
ワクワクするだろ、と「盛り上がる方優先!!」で
私は「気持ちジョージアびいき」で観戦。
すると結構ジョージアも粘ってくれて、前半中盤までは0-0!!


その後力業でオーストラリアがトライまで持って行き先制するが
その後も簡単には離されずいいゲームを続けてくれた。


静岡開催を表す表示に、改めてうれしさと誇らしさ。
試合がだんだん終盤に近づくにつれ、
エコパ開催としても、私の生観戦も、これがラストゲーム、
「お祭り」が終わっていく寂しさが自分を包み始めた。


そしてタイムアップ。
オーストラリア代表はバックとメインに向けて、今大会
各国に広まった「お辞儀」で観客に感謝の意を表した。
「日本でのワールドカップ」を本当に目の前で見たのだなと
実感しながらスタジアムを後にした。


降り出した雨の中、愛野駅までは激混み。
確かに疲れたが、この非日常感がそれを少し振り払ってくれた。
大会総括は決勝が終わった頃にまた改めてしたいと思うが、
ホントに2002、2006年にサッカーW杯を生で見て以来の
ワクワク、ときめきを心に刻むことができた。感謝です。
ただ、まだ大会はGOES ON!!
明日の日本のプール最終戦、何とか開催して、
うるさいことを言って、少々見苦しささえ感じられる
スコットランドの指揮官をぐうの音も出ないぐらい黙らせて
文句なしの「プール1」抜けを実現したい。