シーラカンス?

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昨日、仕事を終えたあと大型家電店を3つ回った。
理由は、使用中のCD/MDデッキが故障してしまったから。
修理を依頼しようと浜松市内の家電店へ向かった。
しかし・・・1軒目。
この店は今をさかのぼること20年以上前、
私が初めてオーディオ一式を「買ってもらった」店。
当時の店は中心部にあったが既に閉鎖し、
ちょっと郊外に移転している。
しかし・・・店に入ってあることに気がついた。
久しぶりにこの店に来たのだが、
以前は店に入ってすぐのところにあった
オーディオのコーナーがなくなり、
PCや電子パーツしか見当たらないのだ。
店員に聞くと、もうオーディオは扱っていないとのこと。
寂しかった。

次の店に向かった。
さっきの店は売り上げ等店の事情で
仕方がなかったのだろうと判断し、
私の勤務先の本店のそばの大型家電店へ。
しかし・・・ここでも驚いた。
オーディオのコーナーはあった。
しかし、私がイメージしていた、
いろんな種類のアンプやスピーカー、
デッキ類が並び、試聴しながら選ぶ、というコーナーはなく、
中・高生が買い求めそうな「ミニコンポ」ばかりが並んでいた。
ここもちがう、と考え、3軒目へ。同系列の郊外にある店。
しかし・・・状況は変わらなかった。ここで考えた。
PCが進化し、
オーディオやテレビ・ビデオとPCとの境界がなくなり、
PC一つあればビデオや音楽を楽しめるようになった。
また、機器のデジタル化により
簡単に高音質で音楽が楽しめるようになり
なおかつ、昨今の住宅事情は大出力のアンプを使い、
大型スピーカで音楽を楽しむことを難しくしてしまったのだろう。
よって、かつてのようなオーディオは
もはやマニア以外には売れなくなり、
オーディオコーナーは不要になってしまったわけだ。
事情は納得できる。

しかし・・・修理はやめ、
29,800円(!?)でミニコンポを購入したものの、
家に帰って今まで使っていたオーディオを見て、さびしさを感じた。
店内をめぐり、予算と自分の好みを照らし合わせつつ、
アンプとスピーカはヤマハのこれ、
デッキはAKAIのオートリバースのこれ、
プレーヤーは・・・と選んだこれらの機器には愛着がある。
自分の人生の半分以上、この機器を通して音楽を聴いてきたし、
音質等何の不満もない。
しかし・・・もはやそういう時代ではないようだ・・・。
でも愛着はあるし、
今では貴重なアナログプレーヤーの再生もできる。
こちらはこちらでこれからも使っていきたい。

「シーラカンス?」への4件のフィードバック

  1. 納得できるな~
    最近は、そういうもの多いよね。古きよきものづくりの心が失われつつある日本だと思ってしまうところは、ちょっとおっさんかな?
    日本経済が技術革新と大量生産に支えられている以上、仕方がないと思いつつ、長く使い続けることへのこだわりがなくてもいいのかな?と思ってしまいますね。
    外国の人たちの話を聞くと、3世代に続いて同じ自転車を使うとか、直しながら靴を使うとかあるそうですよ。
    そういうことって日本人もあったと思います。傘を直して使うなんてあったしね。
    というわけで 何かいたく共感できたのでコメ入れました。

  2. 同意いたします。
    何か一抹の寂しさを感じてしまいます。
    なぜでしょうか?

    それにしても、koikoi氏の得意そうな分野のお話ですね。
    koikoi氏のお考えも知りたいです。

  3. オーディオに限らず、最近は「手軽」に楽しむ傾向が強まっている気がします。
    オーディオに関して言えば、僕たちの中・高校生時代にはアンプ、チューナー、レコードプレーヤー、カセットデッキ、そしてスピーカーをdooのメーカーで組み合わせるか、それこそ限りない組み合わせの中から選ぶ楽しみがありました。休み時間には友人と「やっぱりスピーカーはヤマハでなきゃ!」とか、「マランツのアンプは最高だ!」とかワイワイ言いながら情報交換をし、放課後には電器屋&オーディオ店巡りをして「カタログ収集」に没頭したものです。
    自由に使えるお金が少なく、しかもオーディオ製品は高いので、タダで手に入るカタログと知識の収集が「趣味としてのオーディオ」の実質的な活動でした。
    そういえば、あの頃よく読んでいた「FMレコパル」「FM・Fan」や「ラジオの製作」「初歩のラジオ」などの雑誌も今はなくなってしまいましたね。なんかさびしいですね。

  4. 私も高校からしばらくの間はいっぱしの「オーディオマニア」を気取っていました。アンプなら○○、ターンテーブルは△、スピーカーは□か☆、などと金もないくせにこだわっていました。結婚を機会にそういう部分が遠ざかっていきました。今では実家におきっぱなしの寄せ集めコンポーネント一式。今の家にあるのは押入に押し込まれたAKAIのオープンリールデッキ。これとて動かす機会どころか置く場所さえ与えられていないという現実。スピーカーユニットを選びに選んで購入し、合板を切ってエンクロージャーを制作し、自作スピーカーの音質を追究したのも今となってはなつかしい想い出。
    退職したら思う存分できるかなぁ?

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