「このくにの行方」カテゴリーアーカイブ

今日の一曲

一夜明けて改めて思ったのは、
「専制君主」が「取り戻したかった」日本って、
こんな国だったんだな・・・と。

久しぶりに、学生の頃に読んだ本を引っ張り出したよ。
「政府を拘束するはずの法を、
 政府の一方的な解釈により、
 都合のよいように、
 いくらでも変えられるとするならば、
 それはもはや「法」ではない。
 このようなことがゆるされるならば、
 もはや憲法はなきに等しい」
              渡辺洋三著「法とは何か」

初版は35年ぐらい前だから、現代と世相はちがうし、
上に書かれていることも、今もめてることではなくて、
自衛隊と憲法について書かれた部分で、事情は異なるが、
ただ、この一文については時代を超えて通じるものが
あると思うんだけれど・・・。

ということで、今日の一曲。

もはや「戦後」ではない。

学生の頃、わずかばかり法律学をかじった自分だが、
その時に、憲法とは何かについて、
「国民を守るために、国家権力を縛るためのもの」
だと教わった。
だからこそ、国家権力は憲法の支配の下にあるべきで、
一応、我が国はその下に置かれた立憲主義の国だと
思い込んでいた。
しかし今日、「得意げな顔したこの国のリーダー」は、
おいおい若造、それはちがうんだぞ、
法の支配なんてバカバカしいものはこの国にはないし、
支配者である私がそう考えたら、それが法なのだ、
この国はそういう国なのだ
、と教えてくれた。
バカバカしい。
そんな国に誇りだなんて、とんでもない。
今日ほど、この国を情けないと思った日はない。

この投稿のタイトルは、かつての経済白書の一節だが、
私が言いたいのはそういう意味ではない。
もはや第二次世界大戦の「戦後」の時期ではなく、
「次の戦争」の「戦前」の時期に入ったのでは?
そう思えてならない。

国への誇りを失った夜は、BGMにこの曲を。

これを打ち終えてから一晩、アップすべきか迷いました。

昨年夏、陸前高田を訪ねた時のこと。
いろいろ思うことはあったが、一番衝撃を受けたのが
背丈に近い雑草が生い茂る荒地を彷徨い歩く中、
突然目の前に現れたこの景色だった。
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今となっては全く想像もつかないが、
この場所はこの市の玄関口であるかつての陸前高田駅。
それがこの状態。
近づくまで、そこにプラットホームがあることに
全く気がつかなかったのだ。
何もかも奪い尽くす津波の恐ろしさに胸をえぐられた。

あの日から3年。
この間、私は宮城、岩手と訪ねてきたが、
まだ足を踏み入れていない、踏み入れられない、
そんなところがある。福島だ。
しかしこの国は、そんな「過去の」出来事に目をつぶり、
一国の総理が世界に向けて「管理下にある」とまで言い、
世論もそのイケイケムードに押し流され、
原発再稼働反対を唱える者は「左」で「売国奴」だ、
ぐらいの雰囲気になりつつあるように、私は感じる。
3年前に起こったこと。
その間できたことと、できなかったこと。
今、改めてもう一度見つめ直してから、
これから進む道を考えた方がいいと思うし、
それがこの辛い出来事を無駄にしないことに
なるのではないかと思う。

誰の watchdog なのだ?

この投稿をアップするにあたってはいろいろ考えた。
こんなことを書くとお前は変人か、とか、
売国奴か、とか、山本太郎の一派か、とか、
そういう烙印を押されるのでは、と思って。
でもこれでは危ない、そう思いアップすることにした。
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記事の内容は、私も朝の身支度をしながらよく聴く
NHKラジオ「ラジオあさいちばん」の番組の中で、
ある大学教授が原発問題についてコメントしようと
したところ、NHKによる事前の原稿チェックの段階で
発言を控えるよう求められたというもの。
ここで私が気になったのは、原発云々の問題ではなく、
NHKが、時の政権の意に沿わないような内容を
排除するということが、これから始まるのではないか
ということ。
既に新会長が物議をかもす発言で話題になり、
国会にも呼ばれて体のいい言い訳を述べているが
その新会長の意向か、ここ最近のNHKは
時の政権の意向をくむ姿勢がやたらと目につく。
何よりも新会長の
「政府が『右』と言っているものを、
われわれが『左』と言うわけにはいかない。」

という発言には、空恐ろしさすら感じる。
報道機関が国民に正しい情報を取材し、提供し、
権力者のチェックをすることを放棄するなんて。
さすが政権が多くの「お友達」を経営委員に
送り込み、まつり上げた会長の発言だけある。
そうでなくても最近は、多くの週刊誌において
男性誌、女性誌共に、政権にすり寄るような
記事が目立ち、反政権論は集中攻撃を受けている。
この国のジャーナリズムには失望するばかりだ。
ネット上でも、政権の方針と異なる方向の発言を
不用意にしようものなら、売国奴扱いされ、
殲滅するまで叩き潰される。
恐ろしい世の中になったものだ。