「階段」は終わった。でも、彼女なりに昇り切った。

第22回オリンピック冬季競技大会 ソチ2014
フリースタイルスキー・モーグル 女子決勝
日本代表:上村愛子 第4位(ポイント20.66)
@ロシア・ソチ Rosa Khutor Extreme Park

届かなかった。
一段一段昇ってきた「階段」はそこで終わっていた。
私自身、この結果には納得がいっていない。
なぜなら決勝の彼女は本当に会心の滑りをした一方で
1,2のデュフォー ラポイント姉妹はともかく、
ハナ・カーニーについてはターンでのポイントが
彼女に勝っているとは、私の目には見えなかった。
それぐらい、彼女の決勝での滑りは、
板がよくコントロールされていて、キレていた。
それ故に、結果を見て一度は布団に仰向けに倒れたが、
前回、前々回のような「やりきれなさ」は
今回はなかった。
彼女の「やり切った感」が滑りに出ていたから。
予選以降、滑りを重ねるたびに一つ一つ修正し、
これでどうだ、という滑りを見せることができた。
実際、1番滑走だった彼女の滑りの内容とタイムが、
後続のすべての選手の心・技に影響を与え、
決勝全体の雰囲気を作り出すきっかけとなっていた。
「手ぶら」で構わない。堂々と帰ってきてほしい。
「オリンピックをいい思い出で終われる。」
爽やかにそうコメントした彼女に、拍手を送りたい。