ほんとに、これらが最後になるのか?

大掃除もほぼ片付いた昨年の大晦日の午後、
衝撃的な知らせがYahoo!トピックスに並んだ。
「大瀧詠一さん、急死。」
どうして? その言葉しかなかった。

あなたの「ラストシングル」。

あれから10年も待たせて、
もうこの後はないかも、と思いながらも、
それでもまたいつの日か、あなたの新しい世界に
触れることが、包まれることができるにちがいないと
心のどこかで期待して、この10年間待っていたのに。

あなたの「ラスト・オリジナルアルバム」。
大学に進学し、当時引っ越したばかりの
慣れない静岡の街を彷徨いながら、やっと見つけた
「レコード店」で手にしたこのアルバム。
初めて親元を離れて始める一人暮らしへの期待感、
これからの新しい出会いへのわくわく感など、
当時の甘酸っぱい空気感を今でも甦らせてくれる
珠玉のメロディーの数々。
これに続くものは、もうないのだと思うと、
残念でならない。

私の持っているあなたのオリジナルアルバムは、
すべてアナログLP盤。
また、いつぞやのマイケル・ジャクソンの時のように、
久しぶりにアンプとアナログプレーヤーに
「火を入れ」、
「針を落として」あなたを偲ぶしかないのだろうか。
私の古きよき日々に彩りを添えてくれたことに
心から感謝しながら、耳を傾けたい。