拝啓、桐谷美玲様、

2015明治安田生命J2リーグ 第24節
磐田 1-0 千葉 @ヤマハスタジアム(磐田)
20150718vs_chiba

拝啓、桐谷美玲様、
先日のヤマハスタジアムでの磐田・千葉戦は、
あなたにとっては残念な結果となってしまいましたね。
とはいえ、お互いによく戦っていたと思います。
球際に厳しく、マークやカバーも素早く、
どちらも相手をそうそう簡単に自由にさせることはなく、
じれったい時間が延々と続きました。
こちらからしてみれば、カミンスキーのファインセーブが
なければ、危うく決められていたというシーンも
いくつかありました。
これは1点取られたら、2点取るのは難しい。
最初の1点が試合を決めるぞ、と思っていたら
うちの右サイド、太田吉彰からジェイ・ボスロイドへ
最高のクロスが上がりました。
それをそちらのGKより頭一つ抜き出たジェイが、
見事にヘッドをネットに突き刺し、ほしかった先制点を
手に入れることができました。
我慢の末の1得点でした。
ここのところ、この先で崩れることが続いていましたが、
さすがに選手たちも学んだのでしょう。
早々に守りに入ることなく、前に向かう姿勢を見せつつ
リスクは犯さないという、「成長」した姿を見せました。
おかげさまで申し訳なくも「突き放す」ことができました。
開いた勝ち点差におごることなく、
今後もこつこつとポイントを積んでいきたいと思います。
さすがに今回はいらしていなかったと思いますが。
またぜひ一度ヤマハスタジアム(磐田)に
足をお運びください。
今後もどうぞお美しく、またお元気で。

「ふわっとした民意」は恐ろしい。

20150717oioi

1年前、現政権が集団的自衛権を閣議決定した時、
その1年後に同じ政権がそれを法制化しようとしたら
ここまでボコボコに叩かれるなんて誰が思っただろうか。

3年前、新国立競技場のデザインが現行案に決まった時、
着工直前になってここまで叩かれ、
ゼロベースで見直しになるなんて誰が思っただろうか。

「ふわっとした民意」は恐ろしい。
その国の向かう先を、ちょっとしたきっかけと
ゆるい「空気感」だけでいとも簡単に、
180度、ひっくり返していく。
1年前には現政権を手放しで礼賛していたのに、
ここに来て現政権を叩くようになった人たちとメディアは
一体どういう心境の変化があったのだろうか。
まさか、何だかんだ言ってくらしが何も変わらない、
そんな日々の不満の矛先、というだけで
現政権叩きに向かっているのだとしたら、
何と虚しく、情けないことだろうか。

今、本当に憂うべきことは、
「得意気な顔したこの国のリーダー」が
私が誇りに思っているこの祖国を
権力者がひとたび「シロ」と言えば、
どう考えても黒いものがそれは「シロ」となり、
「クロ」と言えば「クロ」となってしまう、
そしてそれをとがめるものがまったくなくなるという
まるで隣の隣の国のような情けない国に貶めつつある、
そういうことではないだろうか。

日本国憲法 第98条第1項
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
同第99条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

「いいのか?」
「おかしいだろ?」

その辺を踏まえた上で、信念と覚悟をもって
「得意気な顔したこの国のリーダー」を追究しなきゃ。

新国立の問題だってそうだ。
デザインが発表された時は無関心だった人たちが
今や急に「あんなものいらない」運動。
私は個人的には、
あのデザインがいいと信念を持って選んだのなら、
あのコンセプトとあのデザインでいいのでは、と思う。
「国立」なのに日本人のデザインではないところや
維持費がどれだけかかるかわからないところなど
(例えば豊田スタジアムの可動式の屋根のように
後で維持費が工面できないから今後は動かさない、
なんてことになっては情けない。)
何とも言えない部分もあるが、
世論の「空気」で「ゼロベースで見直し」なんてされて、
日本のどこにでもあるような、国体に合わせて作った
何の面白みもなく、普段は誰も寄りつかないような
薄っぺらく安っぽいスタジアムが出来上がる方が残念だ。
「空気」をそのような方向に誘導した人たちは
そんなポンコツが出来上がって満足なのだろうか。
これから何度となく訪れるであろう私にとっては
そんなポンコツスタジアムこそいらないってものだ。

「ふわっとした民意」
それは恐ろしく、また情けないものだ。
信念ある、覚悟ある民意でこの国が動いていくことを
切に願う。

「ブームではなく文化に」その手伝いなら私にもできるかな。

FIFA女子ワールドカップ カナダ2015 決勝
なでしこジャパン 2-5 アメリカ女子代表
@ カナダ・バンクーバー BC Place Stadium
20150706nadeshiko_final_fifa-wwc

うちの職場のメンバーって優しいんだ。
前回の準決勝の時のことを踏まえて
私が結果を知りたくないってことがわかってるから、
昨日は誰もその話題に触れず、一日をやり過ごしてくれた。
日曜日に上のようなものを杏林堂で購入して
(耳栓ってどこに売ってるかわからず探したよ。)
一応使ってみたが、とても仕事にならずに断念。
(月曜は「営業」に立つことはなく、終日オフィス。)
でもみなさんの気遣いで、結果を知らないまま、
職場を後にすることができた。
ただ・・・感じたことが一つ。
確実に木曜日とは職場の「空気感」がちがっていた。
「重い」のだ。
木曜日とは逆に、どこか「よくない予感」を感じながらの
テレビ観戦となった。
そしてその予感は、見てみて「なるほど」という実感に
変わっていった。
「重い」わけだ。
でも、「これがフットボール」なんだろうな。
先制点のCKからのグラウンダーのシュート、
美しかったもの。
その後のなでしこは円陣を組み、気持ちを一つに
ここからの進み方を再確認したかに見えた。
これがグループリーグなら、これで収まったかもしれない。
でも、そうはいかないのがファイナルなんだろうな。
失意、動揺、焦り・・・、
とても腹に収められるものではなかったということだろう。
そこからはすべてが裏目に出た十数分間だった。

とはいえ、絶望的な4点差を彼女たちは受け入れ、
こつこつと1点ずつを積み重ねるためのゲームづくりを
そこから始めたのだった。
やがて自分たちのサッカーを取り戻しはじめ、
アメリカから2得点を奪うことができた。
完全に押し切られてしまうのではなく、
自分たちの時間を作ることもできた。これは評価したい。

残念だ。
このチームで頂点に立つところを見てみたかった。
ただ、宮間が言うように「なでしこは終わらない」。
来年はリオ五輪が、その後には東京五輪が控えていて、
この女子W杯を日本招致しようという動きもあるらしい。
世界3位になった世代も次に控えている。
この経験を次の世代に引き継ぎながら、
次への道を、力強く踏み出してほしい。

「運だけではない。」

FIFA女子ワールドカップ カナダ2015 準決勝
なでしこジャパン 2-1 イングランド女子代表
@ カナダ・エドモントン Commonwealth Stadium
20150702vs_england

とにかく家で、ライブと同じ感覚で見たい、
彼女たちと同じ気持ちでドキドキハラハラしたい、
そう思って、情報を断とうと思い、
デスクのPCにこんな張り紙をして周囲にアピールし、
何か口走りそうな人が近づいて来そうものなら
すぐに席を外して「待避」するなどしたが、
どこからか、つぶやく声とか聞こえてきちゃって、
何となく「悪い結果ではないんだろうな」
と思いながら・・・帰宅後にBS1の再放送を見た。
ところが・・・予想外の流れに戸惑い。
「えっ、勝つんじゃないの? 」
「まさか、延長!? 」
そして思いもよらない結末・・・。
こんな苦しく、切なく、しんどい、そんな展開だったんだ。
ホントにライブで見てたら、
七転八倒、胃壁を痛め、夜は寝込んでいたかも。
もちろん、運に支えられたところはあったかもしれない。
ただ、「運」だけで勝ち進んだわけでもない。
試合を支配されながらも気持ちを切らさず、
積み上げた体力で最後まで運動量を落とさず、
どこかでチャンスは来ると信じて走り、
実際、川澄が中に走り込む大儀見と岩渕を見逃すことなく
信じて出したアーリークロス。
もしイングランドの選手が蹴り出さなければ、
間違いなく2人のうちいずれかは
ボールに触っていただろう。
「運」に支えられたかもしれないが、それだけではない。
私はそう思う。

さて、私も気持ちを締め直すのにもう少しかかりそう。
この数日を大切に過ごし、
心を整えて決勝に向かってほしいが、
悔いのないよう、精一杯やって笑顔で終わってほしい。
どんな結果になるかわからないが、、
笑って(少しホロリと来ながら)迎えられるような
そんなゲームをしてきてほしい。