「God Save the Queen」



子どものころ、女王陛下が夫のフィリップ殿下と来日された時
パトカーに先導されながら黒塗りの車で移動される光景を
テレビを通して初めて見た。
「イギリスの女王様ってすごいんだな(°°;)」
と驚き、手持ちのミニカーのパトカーやセンチュリーを並べて
隊列を再現して遊んだことを今でも覚えている。
圧倒的な存在感。
全ての英国民に寄り添い、包み込み、それでいて強い。
そんな印象を抱きながら「いつもそこにいる方」だとばかり
思ってきた。
だから前夜に「健康が懸念される」とのニュースを聞いた時、
もしかして「いつもそこに」ではなくなる時が近いのか、と
心がざわざわした。そして訃報・・・。
「いつもそこにいらした」と過去形に変わった瞬間だった。
かつて英国を訪ねた時、バッキンガム宮殿を訪れた。


女王陛下にお目にかかることはなかったが、
そこに集って宮殿を見上げていた人々の表情から、
いかに陛下が英国民の尊敬を集めていたかが伝わってきた。
また、近年は多くの困難と向き合ってきた英国王室だったが、
この方がいらしたからこそ、英国民の王室への思いを今日まで
つないでくることができたのではないかと思う。
2002年にエコパで聞いた「God Save the Queen」は
鳥肌が立つほど心が揺さぶられ、今でも耳に残っているが、
あの歌詞であの曲を耳にすることはもうない。
女王陛下、お疲れ様でした。
虹の橋を渡ってフィリップ殿下のおそばへ。
どうそ、安らかに。