考え、そして悼むために。

20060830hiroshima

私がここを訪ねてから、既に10年が経とうとしている。
自分の中ではついこの間、という意識だが、
月日の経つのはあっという間だ。
学生時代に、そして10年前に私がここにこの身を置き、
昭和20年8月6日にその場で起こったこと、
その時、その場に居合わせた人たちの無念さに
思いを巡らせたあの場所、広島平和記念公園に、
バラク・オバマアメリカ合衆国大統領がやってきた。
20160502chunichi

米国内からいろいろな声も聞こえてきたことだろう。
それらへの細かな配慮はしつつも、
「核なき世界」を目指すという自らの信念に基づき
広島という特別な地に足を運んでくださったことに、
そして自らの思いを温かく、しかし力強い言葉で
全世界に、未来に向けて発信されたことに、
被爆者の方と言葉を交わし、握手で、抱擁で、
未来志向で心を通わせ合えたことに、
心から敬意を表したい。

退任してからでいい。
また広島に、そして長崎にも
ぜひ足を運んでいただきたい。
そしてその時は、もう少し時間をかけて資料館を
見ていただけたらと思う。
あそこは、じっくり、思いを巡らせながら見たら
とても1時間なんてものではなく、
半日ぐらいかかる、そんな場所だから。