さらば、「ぼくたちの」中山雅史

Jリーグディビジョン1 第34節
磐田 1-1 神戸 @ホームズスタジアム神戸

行くのか、行かないのか、前夜まで考えた。
仕事も滞っている。家の片付けもせねばならない、
どうもここのところ、たまった疲れも取れない。
テレビ観戦で済ませようか、とも思っていた。
しかし、スポパラで前節のビデオ映像を見ているうちに
自分の生き方にも多くの影響を与えてくれた彼を見送らねば、
という思いに駆られ、神戸に向かうことにした。
西に向かう新幹線の強引なスピードに身をゆだねながら、
前節試合後、彼が「まだ情熱が残っている」と言っていたが、
自分の方は磐田を追いかける情熱が消えかけているのかな、と、
ふと、考えたりしてしまった。
数年前の自分なら、四国だろうが、九州だろうが、
多忙期であろうが、迷うことなく出かけていったであろうに。
磐田のサッカーが魅力ないものになっていることもあろうが、
自分の中で何か変わりはじめているような気がする。

厳しいゲームの流れから、彼は結局ピッチに立つことなく、
90分が過ぎ、タイムアップの時を迎えた。
それでもゴール裏からは中山コール。
敵地であり、神戸側のシーズン末のセレモニーもあるため、
先日のようにサポとじっくり別れを惜しむ時はなかったが、
磐田としては最後のゴンダンスを、まずは磐田側で。

そして深紅に染まったホーム神戸側からのコールにも応え、
スタジアム全体から温かい拍手が送られる中、
最後にはピッチに深々と一礼をして、彼は去っていった。

心にポッカリと空洞ができた。
次のシーズンが始まる時、改めてその大きさを思い知るだろう。
でも、他チームとはいえ、彼がまだ走り続けているのならば、
自分もまだがんばらねば、と思う。
今まで本当にありがとう。
できることであれば、これからも私にパワーをください。
元気で。新天地での活躍を祈っています。