平成の「きかんしゃやえもん」


ちょうど先週の今ごろ、
大分遠征のため、九州に向かう列車に乗った。
特急「富士」号。
かつては単独で西鹿児島(現鹿児島中央)まで
運行された日本最長運転距離の旅客列車で、
「ブルートレイン」と呼ばれブームになった
九州行き寝台特急列車の一つだ。
他の東京発九州行き寝台特急が次々と廃止される中、
この「富士」は、熊本行きの「はやぶさ」と
小倉まで併結され、大分行きに短縮はされたが
現在も運行されている。
幼い頃、家の近くを汽笛と共に通過していく
ブルートレインを見送りながら、
「あの列車に乗って遠くへ行ってみたい。」
と思っていたが、今回その願いが叶うこととなった。
しかし・・・乗ってみて驚いた。
はげた内外装、前時代的な車内の装備や表示・・・、
昭和の雰囲気を残した「走る鉄道博物館」のようだ。
しかし、これらは「保存」のため残されているのではなく、
JRに「新たな設備投資」をする意志がないため、
そのまま運行されているだけ、のようだ。
民営化後のJRは、新幹線と最新の昼行電車型特急を優先し、
効率の悪い寝台特急から手をひく傾向にあるという。
旅情を誘う夜汽車は、もはや「時代遅れ」なのだろうか。
一部報道では、2009年春のダイヤ改正をもって
「はやぶさ」「富士」を廃止する方針とか。
わが家からブルトレを見送ることもなくなるのだろうか。
寂しい限りである。

(今回の観戦記を「Trip to the stadium」にアップしました。)