八湯制覇

「九州まで負け試合を見に行ったのか。」
という声をあちこちからいただいた。
確かに試合自体はあんなものだったし、
別府・大分も4度目にもなると
「刺激」がないと前回書いたが、
それでも「発見」はあったし、
「癒し」という目標は達成されたと思う。

一つは鉄輪に新しく建てられた蒸し湯。
鉄輪は毎回訪れていて、蒸し湯は以前からあったが
新築されて新しくなったのだ。

貸し浴衣を着て、渡されたタイマーを持ち、
石菖の葉が敷き詰められた天井の低い部屋に入り
約10分間、葉の上に横たわる。
岩盤浴と似ているが、ちがうのは
蒸気で蒸されて薬効成分を含んだ温泉の湯気が
部屋の中に充満していること。
体の下から、そして空気中の蒸気から肺を通じて
体内に入り込み、じわじわと効いてくる感じ。
体からはじっとりと汗が噴き出し、
タイマーが鳴る頃には浴衣はぐっしょり。
その後は浴場で上がり湯をいただく。
体への負担が大きいようで、
係の人が念入りに注意事項を説明してくれるが、
それだけ効き目もあるということだろう。
別府へ行ったら「要チェック」である。

また今回は、交通の便がよくないため
今まで訪れることのなかった柴石温泉も訪れた。

山あいの谷間にひっそりと建つ施設だったが、
新しく、手入れも行き届いていて安心して入れた。
ぬるめの露天風呂はずっと入っていられる快適さ。
半身浴で汗を流しながらのんびりと過ごした。
今回、ここに入ったことによって、「別府八湯」はすべてクリア。
ある意味一区切りだが、まだまだ別府は「深い」。
「温泉道」と言われる所以だろう。