時は流れていても、何も・・・。


半月前、台風が去った後の蒸し暑い日、
豊橋市内のあるCDショップで
この「COYOTE」を手に取った。
レジを抜け、CDを車のプレーヤーへ。
シンプルで疾走感あふれるビートを刻む音が
スピーカーから飛び出してきた時、
何とも言えない想いがこみ上げてきた。
かつて、日常生活の中に常に元春があり、
元春の歌を通して「自分」「これから」を考えていた頃、
LPレコードから、ラジオから発信されていた、あの世界。
このアルバムはそのベクトルの延長線上に確実に重なる、
そんな印象を受けた。
もちろん単なる「回帰」ではない。
私も元春も歳を重ねたし、「世界」も変わっている。
それを踏まえた上で、「今」と、「自分」と、向き合っていく、
そんなアルバムになっていると感じた。

この夏、言葉をかみしめながらじっくり聞いてほしい、
そんな一枚です。