ひょっとして、「登運(とん)とん」をお探しですか?
よかったら、御案内しましょうか?
いえ、ね、ちょうど私もそのお店に行くところなんですよ。
東京は有楽町、日比谷口から新橋方面へ向かうこのあたりは
古くからの「ガード下」。
最近は新しいレストランや、ギネスが飲める
洒落た店も出ていますが、
昭和の香りをとどめる昔ながらの「酒場」も残っていて
赤提灯と立ちこめる煙が、私たちの心を誘(いざな)うようです。
晴海通りを越えて新橋方向に数十メートル、
鉄道の下に入る、ほら、あそこ。
あそこがお探しの「登運とん」。
土曜日夕方の常連客(!?)が織りなす東京一の日常会話(!?)、
聞き逃したくないばかりについ足が向いてしまうんです。
さぁ、着きましたよ
私が「どこか相席でもいいから座らせてもらえるように、」
頼んでみましょう。
「やぁ、おばさん、いつもの、じゃなくて、まず、生。
それから煮込みと、つくねと「とり」、タレで。」
というのはかなりフィクションですが、
表面はカリッとしつつ中身は肉汁たっぷり、やや粗挽きの肉の
食感が何とも言えないつくねや、これまたジューシーな「とり」、
そのほか煮込みや、もつやきなど、メニューも充実。
アヴァンティのごとく、グラスを傾けながら、
聞こえてくる近くの会話に耳を傾けるという楽しみもでき、
なかなかよかったです。
「ロンドンのパブ」は、ちょっと敷居が高くて入れなかったけれど、
「有楽町のガード下」は堪能できたんじゃないかなぁ。
「I津君、一度あなたと行ってみたい、そんな店です。」