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今日勝ってこそ

2012 FIFA U-20女子ワールドカップ日本 一次リーグA組
第3節 U-20女子日本代表 4-0 U-20女子スイス代表
@国立競技場

日曜日の国立競技場、田中陽子が躍動していた。
左右両足から繰り出されたフリーキック。
いずれもゴール隅の、ここでは取れない、というところに
見事に決めてのけた。
もはや「ポスト宮間」なんてものではない。
彼女は「田中陽子」なのだ。
ゲームも確実に彼女がコントロールしていて、
攻守共に献身的に動き回る姿が印象に残った。
逆に、彼女が封じられたら、怪我でもしたら・・・
と思うと、少し心配にもなったが、何はともあれグループ1位。
今日行われる準々決勝は暑さによる消耗も少なく、
テレビ中継的にも視聴率を集めやすい、ナイトゲームとなった。
問題は相手。韓国だ。
U-17の時に決勝で敗れた相手でもあり、
現在、本当に深刻な問題が両国の間に横たわっている状態で、
できることなら今大会中、戦うことは避けたいと思っていた。
しかし、ここを超えなければ、世界は見えてこない、
ということなのだろう。
この次には、どんな記事を投稿するのか・・・、
ぜひそれは歓喜に満ちた内容であってほしい。

ムードメーカー「ポスト大野」の出現を期待する。

2012FIFA U-20女子ワールドカップ日本 一次リーグA組第2節
U-20女子日本代表 2-2 U-20女子ニュージーランド代表
@宮城スタジアム

残念だった。
ゲームの大部分は確実に支配していたにもかかわらず
勝ちきれなかった。
“This is football.”なんだろうな。
(相手のキーパー、よすぎ!!)
こうなると心配されることは、メンタル的なダメージだ。
あの2失点後、彼女たちが心に負ったダメージは
プレーの一つ一つに確実に表れていた。
仲田が前半途中で交代、というのも仕方ないと思う。
見るからに自分を見失っているように見えた。
気がかりなのは、ネット上のニュース画像で見たのだが、
あの後、彼女はしばらくベンチから離れ、
一人でぽつりと座ってゲームを見つめていたということ。
テレビには映らなかったので、長い時間ではなかったと思うが
ミスをした選手を包めない、またミスをした選手は入れない、
一時的とはいえ、そんな感じのベンチだったのだろうか?
何だかんだ言っても、U-20の女子。まだ若い。
そういう意味では「もろさ」は否めない。
こんな時こそ、大野や近賀のような明るさで、
前向きに雰囲気を変えられる選手がいるといいのだが。
既に東京に移動して、練習を始めていると聞く。
気持ちを切り替え、そして姉貴分から脈々と受け継がれる
「ひたむきさ」でスイスに立ち向かってほしい。

ここから、東北に力を。そして、世界に日本の輝きを。

2012 FIFA U-20女子ワールドカップ日本 一次リーグA組
第1節 U-20女子日本代表 4-1 U-20女子メキシコ代表
@宮城スタジアム

ワールドカップが日本に帰ってきた。
U-20女子大会だが、確かにFIFAの定めるワールドカップだ。
これを観ないで済ますなんてことは・・・できないなぁ。
グループリーグの開催地は宮城と国立。
観に行くのならば、常識的に考えて国立だ。
しかし、グループリーグの行方が見えてしまっているような
国立開催の最終節よりも、どっちに転ぶかわからない
初戦の方が、応援のしがいがある。
そして、この夏にはどうしても東北に出かけたい、という
自分の想いも重なり、スケジュールを確保し仙台行きを決めた。
欲を言うなら、宮城スタジアムよりユアテックの方がよかったし、
行ってみたかったのだが。(残念。またの機会に。)
前日が磐田のホームゲームということで、夜行バスは使用不可。
新幹線で仙台入りして、宮城スタジアムに入った。

さて、私たちのU-20代表、強いのだ。
アジアでは優勝、そしてU-17時代には世界で準優勝している。
ならば期待も高まってしまうのだが、それに応える活躍だった。
前半は田中陽子を温存しつつ、柴田華絵のゴールで先制。
後半は仲田を温存し田中陽子を投入。何と3点も取ってしまう。
メキシコも強いチームのはずだし、GKなどはなかなかなのだが
終始日本がゲームを支配し、終わってみれば快勝だった。
ただ、次節のニュージーランド、簡単な相手ではない。
日本戦の前にスイスとのゲームを観たが、大きく強い。
どちらかというと小柄な日本選手たちにとっては、脅威だ。
猛暑の中で、中2日という過密日程だが、ぜひここを乗り越え、
上に向かえるよう力を尽くしてほしい。
そして、このチームには常盤木学園、JFAアカデミー福島など、
東北ゆかりの選手が多い。
(実際、仲田には後輩? 同級生? それらしき声が飛んでいたし。)
もう一試合、ここ、宮城スタジアムでのゲームになる。
ぜひ、みんなの活躍で、東北に力を与えてほしい。
そして、日本の輝きを、東北の活気を、世界に伝えてほしい。

挑戦、成長、そしてリスタート。


オリンピックが終わった。
ここ最近の中では、一番ワクワクできた大会ではなかったか。
このときめく気持ちは、おそらく98年の長野冬季五輪以来、
夏季五輪に限って言えば、84年のロス五輪以来だと思う。
競泳、卓球、バレーボール、フェンシング、アーチェリー、
様々な競技の選手たちが、久しぶりのメダル獲得であったり、
心をつなぎあって団体戦で戦い、強豪を倒したりする中で、
単なるスポーツの勝敗を越えた、メッセージのようなものを、
私たちに送ってくれたように思う。
そしてそのワクワクの中心にあったものは、男女サッカー。
昨年のW杯の結果を受けて、メダルは確実、当然金を期待なんて
とてつもないことをメディアがあおり立てる中で、
女子はよくあそこまでがんばったと思う。
決勝は敗れはしたが、最後までひたむきに戦う姿は
見ていた私たちに単なる勇気だけではない、
前に向かって進む素晴らしさを教えてくれたように思う。
今後は世代交代も進んでいくのだろうか。
宮間を中心としたチームを、若い戦力も入れて
再構築していってほしい。
男子も同様だ。ベスト4という結果は上出来だ。
吉田を中心に大会前の浮ついた雰囲気を引き締め、
気がつけば「谷間」世代が頼もしい戦う集団に変貌していた。
最後に敗れた相手と、破れ方がよくなかったが、
6試合戦って世界で経験を積めたことは財産になると思う。
だからこそ、この思いをA代表につなげてほしいと思う。

終わってしまったか・・・。
これで変な早起き生活はしなくてもいいけれど、
夏が終わってしまったかのようでさびしい。

胸を張れ、私たちの「誉れ」!!!

2012ロンドンオリンピック 女子サッカー 決勝
日本女子代表 1-2 アメリカ女子代表
@ UK ロンドン Wembley Stadium

悔しい。
でも、やりきれない、とは違う。
彼女たちはやりきった。
そんな晴れ晴れした思いで、明け方のテレビを見つめた。
もちろん、国際映像のフレームは勝者を追いかけるので、
飛びはね、ほほえみ、誇らしげに星条旗を背負うアメリカ選手が
大写しになり、「彼女たち」はあまり映し出されない。
それでも、時折申し訳程度に映る「彼女たちは」
清々しく輝いていた。
1点先制された後、明らかにアメリカはペースを落とした。
その間、得点できるチャンスは何度もあった。
澤や大儀見の、気持ちで返した1点目のほかにも、
宮間のFKや、未来につながる岩渕の1対1など、
追いつくチャンスは何度かあった。
でも、かなわなかった。
階段は一気に駆け上がるものではない、
一段一段、息を整えながら、分相応で昇ればよい、
神様がそう言っているようにも思えた。
メダルセレモニーでのセンターに揚がる日の丸と、君が代は
今後のなでしこのさらなる「伸びしろ」ということで、
楽しみが先に伸びたということで、いいのではないか。
とにかく、ここまでの戦いぶりが、
そして、終わった後の清々しく堂々たる態度、
決して銀メダルをすぐに首から外してふてくされたりせず、
うれしさも、悔しさも、全て受け止めて笑顔で前に向かう、
その振る舞い全てが私たちの誉れだ。