「ファイナリスト」にはふさわしくなかった。しかし・・・。

2012ロンドンオリンピック 男子サッカー準決勝
日本五輪代表 1-3 メキシコ五輪代表
@ UK ロンドン Wembley Stadium

残念だ。その一言に尽きる。
ただ、ロスタイムにダメ押しの3点目を決められても、
ファイナルへの夢を絶つタイムアップの笛が響いても、
私は意外と冷静に現実を受け止めることができていたし、
ゲームセット後は、やりきれなさを感じることもなく、
すんなりと眠りの続きに入ることができた。
それは、このゲームのぼくたちの代表は、
これまでの数試合とは確実に異なるチームであり、
ある意味こうなるのは必然だと、感じていたからだろう。
永井だけではない。全員が、走れない、動けない。
いつものキレのあるきびきびした動きでプレスをかけ、
ボールを奪った瞬間に連動して前を向いて動き出す、
そんな日本のよさが、この日は全く観られなかった。
また、ぼくたちの期待をへし折るかのような
見苦しいまでのミスが、あまりにも多すぎた。
「今は負ける気がしない」と清武が言った時のチームと
この日の日本代表は、全く異なるチームだった。
ファイナリストになるのには、ふさわしくなかったのだ。

ウェンブリーの観衆は正直だ。
大津の1点目のシュートの時こそ、賞賛の声は上がったが
その後はたいていの場面でメキシコびいきだった。
オールド・トラフォードの時とは全く違っていた。
日本のサッカーが面白く、ワクワクするものではなかったのだ。

結果を受け止め、次に向かわねばならない。
頂上への夢を絶たれて行き場がなくなった気持ちを再整理し、
現時点で目指すことが可能な新たな目標に向かう気持ちを高め、
そのために必要な準備をしなければならない。
「ぼくたちの代表はメダリストにふさわしいチームなのか?」
それが今、問われている。