まだ「旅の途中」

(BGMには平井堅の「キャンバス」をどうぞ。)

「もう、出てった方がいい。
 旅の途中じゃねえのか?
 居心地はいいかもしれんが、
 ここはお前さんが求めてたどり着いた場所じゃねえ。
 このままだと、東京を飛び出してきた意味がなくなっちまうぞ。」

ドラマ「ハチミツとクローバー」第8話で、
大学を飛び出し、自分探しの旅をしていた竹本君が、
清水章吾演じる旅の途中で世話になった宮大工の棟梁から
言われたセリフだ。
これを聞いた時、自分の胸にチクッと来るものがあった。
今自分が置かれている状況にあまりに近いものがあったからだ。

今の職場でお世話になって4年。
職場の人たちは、全くの異業種から「転職」してきた私に、
大変よくしてくださった。
おかげで、私も少しずつ新しい仕事に慣れてきて、
いつしかその世界に「のめり込む」ようになり、
面白さや、やりがいすら感じるほどになっていた。
しかし・・・。
今、自分のいる場所は、
私が「求めてたどり着いた場所」と言えるだろうか・・・?
自分が「本来居るべき場所」に戻り、
この4年間の経験を生かしてこそ、
ここでの日々が「まわり道」なんかではなく、
「自分を成長させてくれた日々」だったということに
なっていくのではないだろうか?

お世話になったみなさんとの「別れの痛み」や
「環境の変化」という不安など、
心が重いこのごろだが、前に進まなければならない。

「みなさん、本当にお世話になりました。
そして、
「あとはお任せします。よろしくお願いします。」
これらの言葉を伝えるために、
今日この後、最終日の職場に向かう。