ホスピタリティ


「生命に関わる重大な病気ではないこと、
 そして大分戦までに体調が戻ることを願って・・・。」
体調を崩していた時に、「願かけ」の思いで
大分行きの交通手段と宿の手配をした。
その後の検査の結果は「○」で、体調も回復し、
普通に飲食できるようになったため、
自分への「快気祝」として九州へ出かけることとした。
とはいえ、4回目の大分遠征。
回を重ねるごとに「知らない街を戸惑いながら歩く」という
アウェー遠征に対する「刺激」がなくなってきていて、
気持ち的に自分を盛り上げることが難しくなっていた。
そこで「今までとはちがう」を意識的に取り入れるとともに
別府での湯めぐりについては
「数をこなす」から「一つずつじっくり」にして
「癒し」をメインに据えてみた。
それでも、大分遠征はもう今回で「卒業」でいいかな、と
何となく思い始めていた帰りがけ、
ホーバー乗り場までタクシーに乗った。
送ってくれた運転手さんがこれまたよくしゃべる人で、私も
「大分遠征は毎年楽しみにしているんですよ。」
「負けたのは残念だけど、大分さんとまた来年やれるのは
 楽しみです。」
などと話しているうちに、ちょっとずつ気持ちが変化してきた。
最後にホーバー乗り場に着いて降りる時に、
運転手さんから声をかけられた。
「また、ぜひご利用ください。」
仮にまた大分を訪れる機会があったとしても、
指名でもしない限り、あなたの車を私が利用する可能性は
ほぼないはずである。
つまり、あのドライバーさんは
いち運転手としてでなく「大分のタクシードライバーとして」
声をかけてくれたのだ、と感じた。
(声のトーンに営業用のセリフとはちがう思いを感じた。)
来季以降、私の仕事をめぐる環境は激変することが予想され、
遠征はおろか、ホームでの観戦すらままならない可能性もある。
でも、事情が許すのであれば、また大分・別府を訪れたい、
改めてそう感じた。