サッカーは90分間で行う競技だから・・・

選手たちは最初の60分間はよく集中していたと思う。
実際守備についてはミスらしいミスは
前半はほとんどなかったと思う。
これについては「すごい!」と感心した。
しかし、相手の当たりの強さのほかに、
ミスを恐れるためか、攻撃面では固さがあるのは否めなかった。
そのためか相手に読まれ、チャンスがなかなか作れなかった。
俊輔の絶妙なキックから先制した後も、
これは変わることはなかった。
「2点目」が入っていれば・・・この固さは和らいだかもしれない。
また、暑さの中でも勝利に向けてモチベーションも上がり、
体を動き続けさせることもできたかもしれない。
しかし相変わらずの決定力のなさ、
そしてFWをはじめとする勝負しない「弱気さ」などなど、
要因はいろいろあるのだろうが
日本に2点目がもたらされることはなかった。
そして後半、明らかに動きが落ちた選手が出始めた。
交代で小野伸二を投入したこと自体は理解できたが、
パフォーマンスが落ちた選手はそのまま残すなど、
交代の意図は不明確で押し込まれる場面が増えていった。

後半30分ごろだったか、
場内の大画面に、声を失いうつむく
オーストラリアサポが映し出された。
私は思った。
「なぜそんなに悲観するのだ?
 今流れはそっちに行ってるはずなのに。」
試合が動いてしまったのはその後だった・・・。
australian.jpg
最終的に屈辱的な結果となった。
フランクフルトに戻ったが、
とても街へ出て食事をできる気分ではなかった。
気分的なこと、21時過ぎになっていて治安が心配なこと、
そして他国サポの目も気になった。
こんな夜に市街地に出ていけば絶妙のカモだ。
何を言われるかわからない。
(今思えば、これは弱気だったかな、と思う。言いたい奴には言わせておけばよかったのかもしれない。でも、そう思えるぐらいこの夜は青ユニに「誇り」をもてなかったのだ。)
結局、ドイツ最後の夜の食事は外に出ることなく、
慣れない英語を駆使して、ホテルのバーにピザをオーダーし、
部屋でビールを飲みながら食べることで終わった。

サッカーは90分間で行うものであり、
最初の60分間だけよくてもダメ、というのであれば、
W杯の一次リーグは3試合で行うもの、とも言えるのだろうか。
そう考えるのならば、まだ終わったわけではない、のだが。